2008.11.15
20年物
saishoan @ 12:34:44 / 日記 / アート » 工芸
20年ほど前にお作りした作務衣三着の染め直しの注文を頂きました。
私のお母さんが初めて作った藍染めのタぺストリーを、初めて買ってくれたお客さんの作務衣です。
その時の話しは何度かお母さんから聞いていたんですが、まさか本人にお会いできるとは思ってもいませんでした。
お客さん曰く、当時地元のデパートで女性3人展をやっていて、ふと通りかかったらそのタぺストリーを見付けたそうです。
すごく気に入ったそうで、一度外に出たんですが、これを逃したら二度と手に入らないかもしれないと思い、また戻って買ったそうです。
その時初めての作品が売れた喜びと、思い入れのある作品が嫁いでいく寂しさと、3人展のメンバーが良かったね!良かったね!って言ってくれた勢いで、お母さんは泣き出しちゃったそうです。
当のお客さんはというと、いきなり泣き出してしまったので、何が何だか解らずタジタジだったそうです。
今でも玄関を入ったところに飾ってあるそうなので、染め直しの作務衣を届けに行ったときにでも見せて頂こうと思います。
当の作務衣はというと、お客さんが寝タバコで穴を開けてしまった以外ほとんどホコロビがありませんでした。
ほぼ毎日着ているそうですが、まったく丈夫なものですね。
これからも末永く使って頂きたいものです。
以上です。
そー言えば何年か前に若手職人展に出たときに、隣で手描き友禅してる女性がやっぱり自分の商品が売れたときに泣き出したゃってたなぁー。
その時、初心を思い出したもんだ。